無知でアートを鑑賞することは正しい
Posted by Miyachoo
つい先日、AKB48の小栗有以さんが東京都現代美術館をツアーする「美術館女子」のウェブサイトが公開終了しました。
読売新聞オンラインで新企画「#美術館女子」がスタート! #AKB48 #チーム8 と、地域の美術館の隠れた魅力を再発見する連載です。
— 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) June 12, 2020
初回は「#東京都現代美術館×#小栗有以」。読売新聞オンラインと明日13日の読売新聞朝刊で特集します。
デジタル版はこちらhttps://t.co/C5XLrrHhEn pic.twitter.com/IgFwEZsoTB
同企画はネットで以下のような批判があり炎上していたようです。
「美術館女子」公開終了「指摘を重く受け止め」
- 「若い女性を"無知"の象徴として扱っている」
- 「女の子を鑑賞する人間の目線でしかない」
批判の中心のジェンダー論はおおむね同意でそれは良いのですが、ほかに"無知"という言葉が気になりました。
ともすると、予備知識なしで美術を鑑賞することにネガティブな響きがあります(こじつけか?)。
本当にそうでしょうか。
アートに予備知識は不要!!
アートを鑑賞するのに予備知識が必要だとすると、それは何でしょうか。思いつくのはこの2つです。ただ、これらは必須ではありません。
- 技術
- 作品の文脈
技術については分かりやすいです。
例えば油絵は極めるととても深く、絵の具はその調合で微妙に発色が変わり、構図には視線を誘導する計算があります。
ただ、私は油絵の技術に詳しくありませんが、それでも油絵を見るのが好きです。そして詳しくないことに対する後ろめたさもありません(憧れはありますが)。
理由は単純です。技術とは単に表現の手段であり、美術作品を見る人が持った印象のほうが大事だからです。
作品の技術について分析すればするほど油絵は無機質になり、直感的な感動や見る人自身の自由な発想が難しくなります(あなたが油絵を志し、勉強している側ならば必要な作業ですが)。
自由で主体的な発想こそが楽しいのです。
ちなみに私は無限の想像力を持っていますので、おサルの落書きにも感動して咽び泣くことができます。
一方で作品の文脈ですが、こっちは難しいです。
特に現代アートでは、知らないと意味不明なものがたくさんあります。
例えば下の便器は有名なデュシャンの作品ですが、これだけ見ても理解するのは難しいです。当時の彼の行動と周りに撒き散らした困惑も含めて作品となります。

ただ、文脈については知識はあると良いですが準備していく必要はありません。
美術館であれば必要な解説はパネルで読めますし、現代アートの場合は何でもありなのでそもそも体系的な理解は難しいです。
くそまとめ(便器だけに)
美術や現代アートはせっかく抽象的な手段を使っているので、自由な発想のコンニャク頭(ぼくのはスポンジ説もある)で見ていたいです。
もしも何かを正確に知りたいなら、文章や図表の方が適しているでしょう。